所得格差がこれまでで最大に!?格差を計るジニ係数とは?

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厚生労働省が2014年の「所得再分配調査」の結果を発表しました。

所得格差、最大を更新…高齢者と単身世帯増加で

これによると、税金などを支払う前の所得(公的年金などの給付を除く)にあたる「当初所得」で0.5704(前回比0.0168ポイント増)となり、過去最大を更新したとのこと。

これは本当に格差が広がっているということなのでしょうか?

この調査で使用されている「ジニ係数」の意味を考えてみます。

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ジニ係数とは?

ジニ係数は主に社会における所得分配の不平等さを測る指標として用いられる数式です。

0から1の間の数字で表され、0に近いほど格差が少なく、1に近づくほど格差が大きいと見ることができます。

ジニ係数の目安として0.3~0.4が通常、0.5~0.6は慢性的暴動が起こりやすいレベルと言われています。

所得のジニ係数の算出方法は3通りあり、

  1. 当初所得(税金などを差し引かず公的年金収入も含まない)で計算したジニ係数
  2. 社会保障給付金、現物支給の再分配を考慮した所得のジニ係数
  3. 直接税、社会保障給付金、現物支給の再分配を考慮した所得のジニ係数

1は労働収入の格差を調べるためのジニ係数と言えますが、年金収入が入っていないため、高齢者が増加すると自然にジニ係数が大きくなります。

2は1に年金などの社会保障給付を加味したもので、現実的な収入格差をみることができます。

3は2に加え支払う税金も考慮され、税の再分配が機能しているかどうかをみることができます。

日本におけるこの3つのジニ係数の推移は以下の通りです。

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表で言えば緑の線が1、青の線が2、赤が3の推移を表しています。

まず一番気になるのが、緑の線ですよね。

これが記事にもあった当初所得の格差です。

ただ、これを見るだけで格差が広がっていると見るのは早計です。

なぜなら年金収入が含まれていないからですね。

つまり、定年退職でリタイアした世帯の収入は0と計算されてしまっているんです。

定年退職後に年金や貯金で苦労なく暮らしている人達を見て、普通は格差だ!と思わないですよね?

青の線を見ても分かる通り、年金収入などを考慮した数字で見てみるとまだ0.3台で推移しており、それほど飛び抜けた格差がある訳ではないことがわかります(2014年でも0.3759という数字になっています)。

こちらで考えた場合、騒がれるほど格差は広がってないじゃないか、と見ることもできるんですよね…。

格差は世界的に広がっている

とは言え、全ての線が上昇していることを考えれば、格差は確実に広がりつつあるのは確かです。

これは日本だけでなく、多くの国で右肩上がりとなっています(格差が少ないと言われる北欧諸国でさえ、徐々に右肩上がりになっています。)

注意したいのは、ジニ係数は万能ではないということです。

この調査はあくまでその年の収入を元にしたもので、貯蓄しているお金・資産は考慮されていないからです。

ジニ係数(当初所得)では貧困層に入ってしまう高齢者も貯蓄額で言えば、むしろ富裕層のことも多いでしょうし、この調査だけで全ての格差実態が掴める訳ではありません。

全てを加味して考えれば、格差はジニ係数より少なくなるのでしょうか?

もしくはもっと広がるのでしょうか?

どっちだと思いますか?