終末時計は核戦争や人類滅亡のカウントダウン?それともデタラメ!?

2017年の世界終末時計が公開。

2015年以来2年ぶりに30秒進められ、終末までの残り時間は2分30秒となりました。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN26H32_X20C17A1000000/

この終末時計はアメリカの有名な科学雑誌「Bulletin of the Atomic Scientists」が発表しているものです。

「Atomic Scientists」とあるように、原子力を研究する科学者達によって始められたもので、現在では著名な科学者からなる委員会を設けてその時刻の検討を行っています。

世界終末時計は人類の誕生を0:00に設定し、世界の終わりを24時間後とした場合、今どの位置にいるかを表したものです。

とは言っても厳密な計算を行って決めている訳ではありません。

どちらかというと、世界に「こんなヤバい状態なんだぞ」とメッセージを送り、核兵器の根絶などを訴えるためのパフォーマンスのようなものですね。

元々「核戦争による終末」を念頭に作られた終末時計でしたが、最近では地球温暖化テロなど別の脅威も加味して時計が修正されています。

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これまでの終末時計の移り変わり

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/世界終末時計

1947年に初めて登場して以来、定期的に時計の修正を行っている終末時計。

ここではこれまでの時計の変遷を振り返ってみます。

1947年 7分前

創設

第二次世界大戦の終結から2年後。

戦後、米ソの対立が表面化し、新たな火種として懸念されていました。

1949年 3分前

時計が進んだ理由:ソ連が核実験に成功
核兵器開発競争の始まり

アメリカが日本に落とした原爆をソ連も手に入れ、米ソの対立は核兵器の開発競争へと進んでいきます。

第一次中東戦争も1948年に起こり、中東情勢の泥沼化もこの時期に始まりました。

1953年 2分前

時計が進んだ理由:アメリカとソ連が水爆実験に成功

原爆よりも強力な水素爆弾が開発され、より高威力の核兵器が登場。

米ソの代理戦争である朝鮮戦争も1953年まで行われています。

1960年 7分前

時計が戻った理由:アメリカとソ連の国交回復
パグウォッシュ会議の開催

パグウォッシュ会議は聞き馴染みがない人も多いと思いますが、核兵器や戦争の廃絶を訴える科学者による国際会議のこと。

日本からも湯川秀樹などが参加しています。

1963年 12分前

時計が戻った理由:米ソが部分的核実験禁止条約を締結

ようやく少し米ソの歩み寄りが見えた…ように思えますが、実は1962年にキューバ危機があり、ベトナム戦争も起こっています。

1968年 7分前

時計が進んだ理由:フランスと中華人民共和国が核実験に成功
第三次中東戦争、ベトナム戦争、第二次印パ戦争の発生

世界各地で戦争が起きており、5年前に戻した針が完全に元通りに。

1969年 10分前

時計が戻った理由:米国の上院が核拡散防止条約を批准

核拡散防止条約とは、アメリカ合衆国、ロシア、イギリス、フランス、中華人民共和国の5か国以外の核兵器の保有を禁止する条約です。

核保有を許可されているままの米国がこれを批准したことが時計を戻す理由になるのでしょうか…。

1972年 12分前

時計が戻った理由:米ソがSALT IとABM条約を締結

SALT IとABM条約はどちらも軍縮に関する条約です。

ただ、これは平和を目指して、というより、長い冷戦で両国ともに疲弊してきたという方がしっくりきますね。

1974年 9分前

時計が進んだ理由:SALT Iに続く米ソの軍縮交渉は難航、両国によるMIRVの配備
インドが最初の「平和的核爆発」に成功

平和的核爆発とは核爆発を土木工事や採掘などに利用することです。

現在では核実験と同じように扱われ、禁止されています。

1980年 7分前

時計が進んだ理由:米ソ間の交渉が停滞
国家主義的な地域紛争
テロリストの脅威が増大する
南北問題
イラン・イラク戦争

南北問題とは先進国と発展途上国によって生じる経済格差のことです。

北側に豊かな国が多く、南側に貧しい国が多いことからこのように名づけられています。

また、イタリア国内など地域ごとに南北で経済格差が生じている例もあります。

1981年 4分前

時計が進んだ理由:軍拡競争の時代へ
アフガニスタン、ポーランド、南アフリカにおける人権抑圧が問題に

米ソのみならず、他の国もこぞって軍拡競争を始めた時代です。

1984年 3分前

時計が進んだ理由:米ソ間の軍拡競争が激化

1988年 6分前

時計が戻った理由:米ソが中距離核戦力全廃条約を締結

米ソの対立は、緊張と緩和の繰り返しの歴史でした。

1990年 10分前

時計が戻った理由:東欧の民主化
冷戦の終結
湾岸戦争

ようやく、米ソ対立が解消されました。

しかし、湾岸戦争など中東情勢は依然残ったまま。

1991年 17分前

時計が戻った理由:ソビエト連邦崩壊
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国解体

ソ連が崩壊し、完全に冷戦は終結しました。

1995年 14分前

時計が進んだ理由:ソ連崩壊後もロシアに残る核兵器の不安

1998年 9分前

時計が進んだ理由:インドとパキスタンが相次いで核兵器の保有を宣言

インドとパキスタンは実は未だに対立が続いています。

2002年 7分前

時計が進んだ理由:アメリカがABM条約からの脱退を宣言
テロリストによる大量破壊兵器使用の懸念が高まる

2001年の9.11テロにより、テロリストの脅威が明確になりました。

2007年 5分前

時計が進んだ理由:北朝鮮の核実験強行
イランの核開発問題
地球温暖化の更なる進行

北朝鮮、イランなどの発展途上国が核兵器の開発・実験などを行い、特に敵国とみなされている米国にとっては脅威となっています(日本も)。

地球温暖化による終末もこの頃から言われるようになったようですね。

2010年 6分前

時計が戻った理由:バラク・オバマ米大統領による核廃絶運動

あんまり効果なかったような…。

2012年 5分前

時計が進んだ理由:核兵器拡散の危険性が増大したことや、福島第一原子力発電所事故が起きたことなど

3.11は日本のみならず、世界中に衝撃を与え、特に原発の危険性を改めて認識させられる事件になりました。

2015年 3分前

時計が進んだ理由:気候変動や核軍備競争のため

近年、世界中で異常気象とも思える暑さ・寒さに見舞われ、温暖化の影響が指摘されるように。

2017年 2分30秒前

ドナルド・トランプ米大統領が核廃絶や気候変動対策に対して消極的な発言

正直、基準が適当すぎる

これまでの終末時計の動きを見てみると、個人的には終末時計を動かす基準が適当すぎると思いました。

誰も先の事は見えないのでしょうがないのですが、あまりに短絡的に動かしている気がします。

特に最近の2010年の1分戻しと、2017年の30秒進み。

これらは科学など全く関係ない、政治的な意図が見え見えの調整です。

また世界終末時計と言うわりにアメリカの利益に寄りすぎています。

例えば世界的に見て「ソ連崩壊」が7分も戻せるほどのことなのかは疑問です。

核戦争の脅威というのであれば、その前年に米ソ対立自体は解消している訳で…。

ソ連の人からすれば逆に進めなくてはいけないような事案かもしれません。

と言う訳で、あまり終末時計は気にしすぎて怖がるようなものではないと思います。

ただ、世界情勢は常に綱渡り状態であることは確かですので、実は終末時計以上にヤバい状況だったりする可能性もあります…。