無料低額宿泊所について、12月30日にこんな記事がありました。
この記事によると、東京都と千葉県の無料低額宿泊所で、年間150人以上が死亡退所している、とのことです。
全国規模で調べれば一体どれくらいの人が無料宿泊所で亡くなっているんでしょうね…?
一方でこんなニュースも。
日本が富裕層人口の増加でアメリカ抜き初めて世界一に(2016年対前年比)、アベノミクスで富裕層の資産は増加し下位90%は減少
つまり、上位10%の裕福な人はますます金持ちになり、残りの90%はどんどん貧乏化している格差の実態が明らかになっています。
今普通に暮らしている私達も、もしかしたら無料宿泊所暮らしを余儀なくされる日もくるかもしれません。
そこで、今回は無料低額宿泊所の実態についてまとめてみました。
無料低額宿泊所とは?
無料低額宿泊所とは、住む場所がない人(主に生活保護者)を対象に一時的に住む場所を提供する福祉的な意味合いを持つ施設です。
無料とか低額とかついていて、「どっちやねん!」という感じですが、「無料のところもあれば、低額なところもあるよ」という意味。
利用者のほとんどが生活保護受給者なので、お金を取られる施設が大半ですね。
生活保護費=自分で払う訳じゃないから実質無料
みたいな感じなのかも…。
単身世帯の生活保護費は大体10万円程度なのですが、無料低額宿泊所に住んでいる人はそのうち7割~8割を支払うことが多く、実は本当に低額と言えるのかも疑問なところです。
「一時的に住む場所を提供する」と書きましたが、今回の記事では一時的どころか死ぬまで過ごす人もいる実態が明らかになりました。
その理由として
- 生活保護受給者に高齢者が多く新居が見つけられない
- 生活保護を支給する自治体が積極的にアパートへの転居指導をしていない
- ホームレス出身者などで、単身生活を送る能力がない
- 無料低額宿泊所が利用者を囲い込んでいる
などが考えられます。
無料低額宿泊所の環境は?
実は以前、無料低額宿泊所に何度か行った経験があります(住んでいた訳ではありません)。
その環境は施設によってかなり異なります。
待遇の良いところはでは4.5畳くらいの部屋が1人1部屋割り当てられ、ベッドなどの家具もありました。
食事は共同の食堂で食べ、お風呂やトイレも共同です。
以前は社員寮として使っていた建物を再利用しているようなところですね。
一方、劣悪な環境の宿泊所は悲惨です。
大きな部屋を簡単な間切りで仕切られ、1人1畳程度しかないスペースでの生活をさせられます。
部屋の中は悪臭が漂い、普通の人ならすぐに逃げ出したいと思うような環境ですね。
これなら多分刑務所の方が良い生活ができるんじゃないか、と思うレベル。
実はこういうところでも値段は上記の待遇が良い施設と同じくらいだったりします…。
「待遇が良い施設」と書きましたが、あくまで劣悪な環境の宿泊所と比べての話で、普通に生活している人にとっては辛い環境であることには変わりありません。
壁は薄いですし、部屋は小汚い、くさい。
更に宿泊所に住んでいる人はとんでもない人がいたりもするので、いつトラブルに巻き込まれるかも分からない状況です。
まずはここまで落ちないことが大切!
このような無料低額宿泊所に仮住まいすることになった場合のデメリットはまだあります。
それは働きたくても就職活動もままならない、という点。
あくまで無料低額宿泊所は「仮住まい」ですから、履歴書を書く場合に住所として使えないこともあるんです。
住所不定の人を企業が喜んで採用することはありませんよね。
無料低額宿泊所に来てしまった時点で、自力で這い上がるのは困難となってしまうのです。
基本的に無料低額宿泊所にいる生活保護者は一般のアパートに移り住むことになっているのですが、今後生活困窮者が増えればそれもどうなるかわかりませんしね。
ですから、もし貧困に陥ってしまった場合は、家を手放す前に生活保護を申請することをおすすめします。
家があればまだ何とかやり直しがききます。
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