TPPがアメリカ不参加で白紙に!?TPPと日本の貿易はどうなる?

b4cf4ac75a3a7a11c79eb60c1f56fa04

出典:http://ironna.jp/article/2053

TPPについてトランプ次期大統領が声明を発表し、就任初日にもTPP離脱通告を出すとしています。

トランプ次期大統領「就任初日にTPP離脱通告」 2国間協定交渉へ

ニュース番組などを見ると「トランプのせいで日本のチャンスが失われた」という論調が多いように思いますが、そもそもTPP交渉前ってマスコミは反対の立場が多かった気が…。

結局TPPはあった方がいいのか、ないほうがいいのか良く分からない人も多いと思います。

今回は改めてTPPは何か?ということを振り返ると共に、アメリカがTPP離脱した場合、TPPはどうなるのか?、日本はどうなるのか?について考えてみます。

スポンサーリンク
スポンサードリンク

そもそもTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とは何?

TPPとは日本アメリカを中心とした太平洋沿岸国の経済連携協定(EPA)のこと。

他にもシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダが参加しています。

これらの国々同士でもっと自由に貿易ができるようにしようというのがTPPの主な目的となります。

具体的には、これら12カ国の輸入品の関税撤廃です。

関税というのは、輸入品にかけられる税金のこと。

例えば米は現在kg当たり402円の関税がかかっています。

これは政府が日本の農家を守るための施策として実施しています。

日本のお米はある程度価格が決まっていますが、海外から安いお米が輸入されそのまま販売されれば、米の値段は下がり農家の収入は激減することになります。

これを防ぐため、海外から輸入された米に関税分を上乗せし、米の価格の安定化を計っているのです。

これは他の国でもされており、国内の大事にしたい産業分野などでは高い関税が掛けられています。

もし全ての関税が撤廃されることになれば、↑で挙げた米などは安い米が流入することで値崩れとなる恐れがありますが、逆に輸出する際には非常に有利になります。

特に日本の大きな産業である自動車などは、他国の関税がなくなれば大きな売り上げ増が見込めるため、経済産業省はこちらの方が利があると考えて、TPPを推し進めることにしたのですね。

(ただし、当初は農業を始めとした保護したい分野については関税撤廃なしの方向で交渉を進めると約束していました。)

また、TPPは↑で挙げたような物だけではなく、医療などのサービスや、投資などにも参加国の共通のルールを作ろうという取り決めがされていました。

以上のことから当初のTPP賛成派・反対派がどのような人であったかは想像がつくと思います。

TPP賛成派:自動車などの関税を無くしたい人(輸出で儲けたい人)

⇒ 主に大企業などですね。

もっと安く海外の製品を購入したい人

⇒ これは多くの人が望んでいることだろうと思います。

TPP反対派:農産物など海外製品が入ってくることで価格競争に巻き込まれそうな人

⇒ 農家やJA、漁師など

医療などのサービス分野が海外と均一化されてしまうことを危惧する人

⇒ 医師会など

TPPは白紙撤回される?

さて、今回のトランプの発言によっていよいよTPPのアメリカ不参加は確実となりそうです。

もしアメリカが不参加ならばTPPはどうなるのでしょうか?

TPP協定では次のような取り決めがされています。

署名から2年以内に参加する12の国すべてが議会の承認など国内手続きを終えれば発効。

しかし、2年以内にこうした手続きを終えることができなかった場合には、12カ国合わせたのGDPの85%以上を占める、少なくとも6か国が手続きを終えれば60日後に協定が発効する。

12カ国のGDP合計の中でアメリカの占める割合は60.4%。

つまり、アメリカが参加しないとなると、例え他の11カ国が全て参加したとしても全GDPの39.6%にしか届かず、現状のTPP協定は成立しないことになります。

ではTPP協定を11カ国でもう一度協議すれば良いのでは?ということも考えられますよね。

しかし、安倍総理はこれに対しては現状否定的で

「アメリカ抜きでTPPの発効を目指すという意見については12か国の会議では議論にならなかった。TPPはアメリカ抜きでは意味が無く、根本的な利益のバランスが崩れる」

と述べています。

恐らく、アメリカが抜けると日本にとってはマイナスな効果(つまり日本の国内産業の価格競争などマイナス面が輸出によるプラスよりも大きくなる)と考えているのでしょう。

まぁもともとアメリカが参加表明することでここまで大きくなったEPAでもあるので、アメリカなしでは型なしなのは間違いありませんね。

追記:

トランプ大統領がTPPから離脱する大統領令に署名し、これによってTPPの早期発効は不可能となりました。

自然消滅する可能性が非常に濃厚となったと言えます。

ここから考えられるシナリオとしては、

  • 日本を始めとしたTPP参加国がトランプ大統領を説得する
  • 米国抜きでTPPが発効できるようにする
  • TPP消滅

関連して米国との二国間協議という話も出ていますが、TPPだけに絞ればこの3つの可能性が考えられます。

ただ、トランプ大統領の説得はほぼ不可能と言えるでしょう。

就任すぐの仕事にケチがつくようなことをトランプがするとは思えません。

日本政府はなんとか説得に持ち込みたいようですが、これは早々に選択肢から消すべきだと思います。

次の米国抜きのTPPについては、そのもの自体は日本にメリットが全くなく、むしろ負の内容となる可能性が非常に高いです。

しかし、アメリカとの二国間協議を考えた上では、武器になる可能性も指摘されていますね。

二国間協議となると日本は弱腰となるでしょうから、他の国も巻き込んで協議を進めた方が得策という考え方です。

最後のTPP消滅は、そのものだけを見れば現状維持です。

しかし、トランプが名指しで日本にプレッシャーをかけている状態を考えれば、ただの現状維持では済まなそうな気もしますね…。

日本の貿易はどうなる?

TPPが失敗だとすれば、関税撤廃で大きく成長する日本の戦略は丸潰れです。

でも、「別にTPPじゃなくても日本とアメリカの2国間で関税撤廃すれば?」という意見もあると思います。

まぁしかし、これはトランプ的にあり得ないでしょうね。

トランプは自動車の関税をもっと上げる、という公約をしているくらいです。

アメリカも二国間協議は希望していますが、これはアメリカにとって「もっと有利な貿易がしたい」と考えてのことなので、輸出は増えるどころか今以上に締め付けがきつくなる可能性もあります。

多国籍が参加したTPP交渉でさえ日本は譲歩した状態でしたので、二国間協議になればもっと不利な条件を飲まされるのは目に見えています。

では日本はどうすればいいのか?

  • 中国などへの依存度を強める
  • アメリカと同じように内需を強くする

うーん、正直どちらも難しそう…。